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『夜は短し歩けよ乙女』奇抜な演出は面白いが、やや退屈な作品 - 感想

概要

 『四畳半神話大系』でも監督を務めた湯浅政明による本作。森見登美彦の人気作であることに加え、先輩役に星野源を起用するなど、公開前の注目度も大きかった作品です。

キャラクターの奇妙なアニメーションや端々のセリフには面白みが見られたものの、全体としてはやや退屈に感じる作品でした。

 

詭弁踊りの繰り返しはサムい

 まず言及したいのが詭弁踊りについて。一回目は少しクスッとさせるものでしたが、あれを二回三回と続けられるのは非常にお寒い。あれは繰り返していいタイプのネタではないと思います。

 

 途中で挿入されるミュージカル要素も必然性が感じられなかったことに加え、導入部分があまりうまくできていなかったので、唐突に始まってしまった印象で、観客が上手く入り込めない空気感ができてしまっていたと思います。

 

声優としての星野源の評価

 また、星野源の声優としての起用には賛否両論あるようですが、個人的には悪くなかったように思います。セリフ量の多い作品ですので多少舌が回りきっていない部分といいますか、声優としての技量の不足は否めませんでしたが、それがかえって先輩の不器用さを演出するのに一役買っていたように思います。

もちろん『四畳半神話大系』での「私」の見事なセリフ回しも素晴らしいものがありましたが、これはこれでよいものであったと思います。

 

まとめ

 総じて、原作ファンや『四畳半神話大系』未視聴の方には一体何が起きているのかいまいち分からない、内輪ノリの強い作品であったように感じられました。詳しく読み解いていけば面白い部分もあるのでしょうが、そもそも観客が没入しにくい空気ができてしまっていて、個人的には真剣に観るのも辛い作品でした。四畳半神話大系は非常に好きな作品ですので、本作の出来は残念に思いました。