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『ナイスガイズ!』ブラックユーモアが支配するドタバタアクション - 作品の感想


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©2016 NICE GUYS, LLC

近日公開予定の『ラ・ラ・ランド』でも主演を務めるなど注目の集まっているライアン・ゴズリングと、『ビューティフル・マインド』などで有名なラッセルクロウが共演するアクションコメディ『ナイスガイズ!』。ちょっと抜けてる私立探偵と粗野で無骨な示談屋のコンビが大きな陰謀に巻き込まれていく様がコミカルに描かれています。

 

ユーモア溢れる掛け合い

段取りの悪さと屑っぷりが特徴のマーチがかますボケに対し、ラッセルクロウ演じるヒーリーが冷静な突っ込みを繰り出す会話劇が本作の大きな魅力。映画館の客席からは度々笑いが漏れ、作品を鑑賞するうえでの一体感が生まれていました。

周囲の観客と笑いのツボが嵌まりさえすれば、自宅では味わえない体験ができるでしょう。

 

ヒロイン、ホリーの魅力

髭面の男二人で画面がむさ苦しくなってしまいがちなところを、マーチの娘であるホリーが彩りを与えます。ホリーを演じるのは『ファイナルアワー』などにも出演している弱冠15歳の女優アンガーリー・ライス。彼女の素朴で可愛らしい魅力が本作で演じる役柄にピッタリと言えるでしょう。

 

ヒーリーの抱える葛藤

自分の仕事に価値を見出だせずに苦しむヒーリーの姿と、クライアントを騙して依頼料を水増し請求しようとするマーチの屑っぷりが対比的です。ヒーリーがやっている仕事も所詮は裏稼業に過ぎないのかもしれませんが、そこには通底するポリシーがあります。作中でも手にかけるのは悪に加担している(と思われる)クズ共だけですし、基本的にはクライアントの女性を守るために体を張ります。

心理的な葛藤が描かれているという点で、ヒーリーはマーチよりもよっぽど主人公らしく、鑑賞者の共感を呼ぶものであると言えるでしょう。ホリーとの関係性も彼女の父親であるマーチよりもよっぽど丹念に表現されており、父親をボコボコにされるという事件から始まった二人の奇妙な絆も本作の魅力の一つです。

 

意外性のある社会風刺

作品全体のおどけた空気とは裏腹に、本作で扱っている事件は非常に現実味があり、勧善懲悪ものにありがちな一件落着な結末を迎えるものではありません。大企業の不正や官民の癒着問題など、ただフザケているだけではない、コメディをベースとしながらもキッチリ主義主張を持たせるあたりが本作のにくいところです。

 

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