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映画『LUPIN THE IIIRD 血煙の石川五ェ門』五ェ門の実直さが渋い魅力を醸し出す - ネタバレと感想


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©TMS

次元大介の墓標』に続くルパン三世のスピンオフとして制作された、石川五ェ門を主人公とする作品。若き日の五ェ門とルパン達の活躍を描く。

ネタバレ

 賭場を仕切るヤクザの用心棒として雇われた五ェ門。ルパン、次元、藤子の三人が賭博船内の金を盗み出そうと忍び込むが、同時にそこに斧を携えた大男が現れる。ルパン達は見事船から大金を運び出すが、後を追ってやってくる大男に命を狙われることとなる。船は男の襲撃によって大破し、五ェ門の雇い主であるヤクザの親分も船内で命を落とす。

五ェ門の敗北

 銭形によると、男は「バミューダの亡霊」と呼ばれる不死身の男ホークであり、かつて無数の兵士を殺戮したことで恐れられているという。ルパン達を執拗に着け狙うホークの前に、親分の仇をとろうと五ェ門が現れる。ホークと対峙する五ェ門であるが、ホークの常人離れした怪力の前に敗れ去る。銭形の介入により難を逃れる四人だったが、ホークに圧倒された五ェ門は敗北のトラウマが頭に過ぎり、刀を抜けなくなってしまう。

トラウマの克服と無我の境地

 敗北のイメージを克服しようと修行に向かうが、ホークに対する恐怖心を拭い去ることができない。失意のなか、雇い主であるヤクザの子分衆に出くわす。ヤクザ衆は、用心棒でありながら親分を守りきれず、仇討ちも果たせない五ェ門を始末しようとする。極限の飢餓と疲労のなか、目前に迫った死と直面することで五感を超えた境地に達する五ェ門。大勢のヤクザを斬り殺し、仇討ちを成し遂げんと再びホークの元へと向かう。

再戦

 その頃、ルパンと次元は再びホークに襲撃され、寺社に追い込まれ重症を負ってしまう。いよいよ為す術も無くなったかと思われたが、そこに恐怖を克服した五ェ門が現れる。研ぎ澄まされた感覚によって、自らも重症を負いながらもホークに深手を負わせる。無敵を誇るホークに死の恐怖を覚えさせ、見事彼を退ける。

 ホークと対峙する五ェ門の意志を尊重し、彼の闘いに手出しをせず見守ってくれた二人に対し感謝の意を示す五ェ門。深手を負った二人を追う銭形の前に用心棒として立ちはだかる。

 

感想

映画独特の過激描写

 一時間という短めの尺の中で、五ェ門の実直な性格の魅力が表現されています。前後編の二部に分かれており、二話完結の30分アニメーションのストーリーを観るような感覚でした。劇場版ということもあってか、殺陣のシーンは少々グロテスクなものになっており、血しぶきが激しく飛び交う迫力ある絵面になっています。テレビ放映版ではなかなか難しい演出で、ルパンシリーズのコミカルさとは少々離れているようにも感じました。

尺の短さによる物足りなさ

 やはり短めの尺による物足りなさは否めない感がありました。ホークがルパン達を狙う背景についてはやんわりぼかされており、サスペンスとしての物語性はあまり感じられません。

 作品の焦点は五ェ門の魅力を描くことに向けられており、ストーリーは上の細かい点についてはご自由に補完してくださいといった感じの構成になっていました。迫力のある作画とキャラクターの魅力を味わいたい方にはぜひオススメしたい作品ですが、ストーリー性を求める方には少々微妙かもしれません。個人的には峰不二子の色気が半端なく魅力的で、それだけでも観に行ってよかったと思えるものでした。

映画『LUPIN THE ⅢRD 血煙の石川五ェ門』公式サイト

 

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