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『ブラックミラー』シーズン2第4話「ホワイト・クリスマス」ネタバレと感想

 SFオムニバスドラマ『ブラック・ミラー』「ホワイト・クリスマス」のネタバレと感想になります。今回のお話は、人々がZアイと呼ばれる機器を脳に埋め込まれた世界でのお話になります。

あらすじ

 雪深くにある家屋で、マシューとジョーという二人の男性が長らく同居している。ほとんど会話がなくお互いのことを知らない二人であったが、五年目のクリスマスの日、マシューはジョーに自分の昔話をし始める。

    この世界の人々の脳にはZアイと呼ばれる機器が埋め込まれており、アプリによって視界に入ってくる情報を加工したり、他者に送信したりすることが可能である。かつてマシューはその技術を利用して、恋愛アドバイザーをしていた。クライアントの視界から送られてくる映像を通して、パーティーでの振る舞いをリアルタイムでアドバイスするというものである。他人のZアイの情報を観ることは本来違法であるが、マシューは隠れたコミュニティ内でお互いに映像を共有しあっていた。

 クライアントの男性はパーティで一人の黒髪の女性に興味を持ち、彼女に声をかける。アドバイスのおかげもあって会話は盛り上がり、彼は女性の自宅に招かれる。しかし、彼女は幻聴に悩まされており、Zアイを通してマシューと話す彼を見て同じ症状に悩む仲間だと勘違いし、心中相手に彼を選んだのだった。薬物の入ったお酒を飲まされ、クライアントの男性は亡くなってしまった。

 この事件によってマシューが他人とZアイの情報を共有していたことがマシューの妻に発覚。彼のしでかしたことを不愉快に思った彼女は、彼をブロックし、お互いに相手がモザイクがかかって見えるようになってしまった。離婚後彼は心に傷を負い、人里離れた家屋で生活するようになった。

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相手にブロックされた場合、姿にモザイクがかかり声も聞こえなくなる。

『ブラック・ミラー』シーズン2第4話「ホワイト・クリスマス」より

 また、恋愛アドバイザーはマシューの趣味であり、本業は人間の脳をコピーし、複製の人格(クッキー)を作り出すサービスを運営することであった。複製の人格を端末にインストールし、AIアシスタントとして命令を聞くようになるまで調教するというのが彼の仕事だった。

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卵型のAIアシスタント端末(一枚目中央)と端末内の人格から見える光景

『ブラック・ミラー』シーズン2第4話「ホワイト・クリスマス」より

    初めは自身の話をすることを避けていたジョーであったが、マシューの話を聞いているうちに、重い口を開き始める。

 かつてジョーは婚約者のベスと幸せな時間を過ごしていた。しかし、ベスの妊娠が発覚するものの、彼女が出産を拒否することを拒否する。これをきっかけに口論に発展し、ベスはジョーをブロックして彼の元から離れていってしまった。しばらくした後、偶然街でベスを見かけたジョーは必死に話しかけようとするも、警察に通報され接近禁止を言い渡されてしまった。

    別れてからもベスを忘れられなかったジョーは、彼女が出産し子供を育てていることを知る。せめて娘の姿を見たいと彼女の実家を密かに訪ねるが、ブロックの範囲は子供にまで及ぶため、モザイクがかかった姿しか見ることができない。それでも彼女の実家に通い続け娘の成長を見守っていたジョーであったが、あるときニュースを観てベスが交通事故で亡くなったことを知る。それによってブロックも解除されたため、ようやく娘の姿が見られると考えたジョーは、再び彼女の実家を訪ねる。

    念願叶って娘に会うことのできたジョーであったが、娘の顔の容貌から彼女が共通の友人と不倫していたことを知る。ショックを受けていたところを彼女の父親と遭遇するが、混乱から咄嗟に娘へのプレゼントとして購入していたスノードームで彼を殴り殺害してしまう。この容疑により、ジョーは逮捕されてしまった。

    罪悪感に耐えきれず、過去の自分の罪をマシューに告白したジョー。すると、マシューが突然ネタ晴らしを始める。二人がいるこの家屋は作られた仮想世界であり、ジョーは本物のジョーから作られたクッキー(複製の人格)であった。マシューは自分の技術を利用して警察に協力し、被疑者のクッキーと打ち解け、犯罪の自白をさせたのであった。

 マシューはこの仕事によって恋愛コンサルタントをしていたときの罪を免責され釈放されるが、釈放の条件として周囲のすべての人間からブロックされるという罰を受ける。視界に映るすべての人間にモザイクがかかっており、彼自身も周囲の人間からモザイクとしか認識されなくなってしまった。

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釈放後のマシューが見る風景。

『ブラック・ミラー』シーズン2第4話「ホワイト・クリスマス」より

感想

    クリスマスソングは流れているものの、およそクリスマスには似つかわしくない陰鬱なストーリーでした。端末内にインストールされたクッキーが、何もすることが無く頭がおかしくなってしまう下りは、5億年ボタンの話を思い出させます。

 

    この世界では、二つの恐ろしい世界が登場します。ひとつは仮想世界に閉じ込められ、時間の流れを外部から自由に操作されてしまうというもので、もう一つは他人から認識されなくなってしまうというものです。どちらも想像するだに震えるものですが、端末内に閉じ込められてしまった場合、永遠に脱出するすべもなく、自殺すらできないという地獄が待っているわけですから、こちらのほうがより恐ろしいのではないでしょうか。

 また、Zアイのブロック機能に関していえば、関わる相手を自由に制限できるというのは便利ではありますが、行きつく先は、自分に都合の良い人間としかコミュニケーションをとらなくなるという悲しい結果になってしまうのではないでしょうか。

 シーズン2まで観終えた感想としては、非常に面白い話が多いのですが、今のところハッピーエンドが一つもないのが辛いところです。テクノロジーがもたらす負の側面がテーマですので、ある程度仕方のないところですが、シーズン3は希望をもてるストーリーも期待したいと思います。

 

『ブラック・ミラー』シーズン3第1話「ランク社会」SNSが生み出す息苦しさ - ネタバレと感想 - Nanyak

 

シリーズ全体のまとめ

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