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映画『レゴバットマン』ヒーロー物嫌いに勧めたい作品

 のっけからハリウッド映画の壮大な演出を茶化しにいくという導入に始まる。ここで笑えるかどうかが本作を楽しめる人かどうかの試金石になっている。終始オマージュやメタネタが満載で、シュールな笑いが本作の大きな魅力となっている。

 バットマンシリーズについて多少の知識がないと笑いどころの多くを逃してしまうので、本作を十分に楽しむことはできないと思われる。しかしながら、重要なのはバットマンシリーズを「観たことがある」かどうかであって、必ずしもシリーズのファンであることは要求されない。むしろ『ダークナイト』を観て「いい年したおっさんがコスプレして何やってんのよ…」とか「ヒーロの苦悩とか何マジになってんの?」という感想を抱いた方は、本作でたびたび用いられる過去シリーズに対するメタネタは大いに笑えると思う。レゴアニメという性質もあって、ヒーロー物の妙なシリアス感が受け付けないという方も抵抗感なく観ることができる作品になっている。

 

 

『夜は短し歩けよ乙女』奇抜な演出は面白いが、やや退屈な作品 - 感想

概要

 『四畳半神話大系』でも監督を務めた湯浅政明による本作。森見登美彦の人気作であることに加え、先輩役に星野源を起用するなど、公開前の注目度も大きかった作品です。

キャラクターの奇妙なアニメーションや端々のセリフには面白みが見られたものの、全体としてはやや退屈に感じる作品でした。

 

詭弁踊りの繰り返しはサムい

 まず言及したいのが詭弁踊りについて。一回目は少しクスッとさせるものでしたが、あれを二回三回と続けられるのは非常にお寒い。あれは繰り返していいタイプのネタではないと思います。

 

 途中で挿入されるミュージカル要素も必然性が感じられなかったことに加え、導入部分があまりうまくできていなかったので、唐突に始まってしまった印象で、観客が上手く入り込めない空気感ができてしまっていたと思います。

 

声優としての星野源の評価

 また、星野源の声優としての起用には賛否両論あるようですが、個人的には悪くなかったように思います。セリフ量の多い作品ですので多少舌が回りきっていない部分といいますか、声優としての技量の不足は否めませんでしたが、それがかえって先輩の不器用さを演出するのに一役買っていたように思います。

もちろん『四畳半神話大系』での「私」の見事なセリフ回しも素晴らしいものがありましたが、これはこれでよいものであったと思います。

 

まとめ

 総じて、原作ファンや『四畳半神話大系』未視聴の方には一体何が起きているのかいまいち分からない、内輪ノリの強い作品であったように感じられました。詳しく読み解いていけば面白い部分もあるのでしょうが、そもそも観客が没入しにくい空気ができてしまっていて、個人的には真剣に観るのも辛い作品でした。四畳半神話大系は非常に好きな作品ですので、本作の出来は残念に思いました。

『T2 トレイン・スポッティング』郷愁と青春の終わり − 作品の感想

 前作で仲間を騙し、大金を手に町を出たマークですが、どうにも新しい生活に張り合いを見いだせていない様子。結婚相手を見つけ、まともな職に就けている時点で、町に残された仲間たちとは雲泥の差がありますが、それでも尚、頭の中身は昔とさほど変わっていない様子。かつての親友とともに新たな悪事を企むレントンボーイですが、過去の確執は友人間に疑心暗鬼を生み出します。

 一方、自分を裏切ったマークを恨みながらも恨みきれないシックボーイは、口では復讐してやると叫びながらも、過去の退廃的ながらも輝いていた生活が忘れられない模様。何も積み重ねないまま40代になってしまった彼らは、現状の生活を肯定することができません。ここにきてマークが帰ってきたという事実は、過去の思い出に浸り、現実逃避するにはもってこいの出来事だったと言えるでしょう。

 昔のノリで騒ぎ立てる彼らでしたが、そこにベグビーという存在が容赦のない現実を叩きつけます。彼だけはマークに対する強い恨みを保ち続けており、彼の過去の裏切りを精算しようと目論みます。今や脱獄囚となってしまったベグビーには、もはや未来などありません。残された仕事は過去に対する決着をつけることのみです。

 自分を騙したマークと、マークを裁こうとしないシックボーイ、マークに情けをかけられたスパッド。ベグビーは自分だけが蚊帳の外に置かれているような心持ちだったかもしれません。三人を殺害しようとしますが、あと一歩の所で返り討ちにあい、再び刑務所へと送り返されます。

 危機的状況を乗り越え、三人の間にはなにかを達成したような雰囲気が漂います。しかし、実のところ彼らの生活は全く好転していません。昔のレコードに合わせて踊ってみても、失われた20年という時間だけがエンドロール後も重くのしかかってくることでしょう。

『LA LA LAND』ラ・ラ・ランド、ラストシーンの解釈 - 作品の感想

  • ラストの空想はどちらのものだったか
  • 二人はお互いのことをどう捉えていたか
  • ラストシーンの解釈

ラストの空想はどちらのものだったか

ミアとセブが再会を果たすシーンでは、バンドの演奏を背景に、二人の『あり得たかもしれない』幸せが描かれます。ミアもセブもお互いの夢を実現したわけであり、現在の生活は非常に充実したものであるといえるかもしれません。しかし、二人が寄り添いながら夢を追うという未来もあったのではないかという考えが二人の脳裏によぎるわけです。

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『ナイスガイズ!』ブラックユーモアが支配するドタバタアクション - 作品の感想


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©2016 NICE GUYS, LLC

近日公開予定の『ラ・ラ・ランド』でも主演を務めるなど注目の集まっているライアン・ゴズリングと、『ビューティフル・マインド』などで有名なラッセルクロウが共演するアクションコメディ『ナイスガイズ!』。ちょっと抜けてる私立探偵と粗野で無骨な示談屋のコンビが大きな陰謀に巻き込まれていく様がコミカルに描かれています。

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『たかが世界の終わり』家族の絆って簡単に出来上がるものじゃないですよね - ネタバレと感想

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 2月11日より公開となった、映画『たかが世界の終わり』。

    若き劇作家のルイは、自らに死期が迫っていることを告げに、12年ぶりに家族の元へと向かう。長い空白の時間は家族に何をもたらしたのか。

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映画『マリアンヌ』夫婦の愛とマリアンヌが守ったもの - ネタバレと感想


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 本日2月10日より日本公開となった、映画『マリアンヌ』。戦時下という極限状態における夫婦の愛と絆がテーマとなっており、疑いの中で葛藤する夫婦をブラッド・ピットマリオン・コティヤールの二人が演じています。ネタバレなしのあらすじと感想はこちらから

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